砲丸投げ ゼイン・バイアー(Zane Weir)の砲丸道

ゼイン・バイアー1ウェイアーとも発音することがあるはイタリアの砲丸投げ選手で、イタリア室内記録保持者。2020年に南アフリカから国籍変更し、東京五輪では5位入賞を果たした。
自己記録は21m99(屋外)、21m67(室内)。

ゼイン・バイアー(Zane Weir)

国籍 南アフリカ→イタリア

出身 Amanzimtoti, durban, South Africa

コーチ  Paolo Dal Soglio
学歴 University of Cape Town (UCT)
学位 finance and accounting
所属 Fiamme Gialle
種目 砲丸投げ

生年月日 1995/09/07

身長/体重 190㎝(6’3)/112kg

自己ベスト 砲丸投げ 21m99(2022)21m67i(2022)

来歴

9歳の頃に陸上を始め、最初は短距離や跳躍から始めた。

小学生の時、短距離の成績により招待された陸上合宿にて、砲丸を投げる機会があった。

当時のコーチたちがバイアーに才能を見出したことから取り組むようになったという。

他にもラグビーやクリケット、水球やサッカー,野球など様々なスポーツに親しんだ。

2013年にケープタウン大学へ進学し2018年に卒業。
本格的に砲丸投げに取り組むようになるが、卒業時点でのベストは16m91(2016年)に過ぎなかった。

ケープタウン大学
ケープタウン大学は南アフリカ最古の歴史を誇る

 

それまで主な指導者はおらず、Youtubeで独学するなどして競技力向上に努めていた。

翌年2019年に自己記録を大幅に更新し19m09まで伸ばすと、競技力向上のためパオロ・ダル・ソリオに師事する。

2020年一月にステレンボッシュで指導を受けた後、三月にはイタリアへ渡りレオナルド・ファッビーリと共にトレーニングを開始。

9月には自己記録20m70まで引き上げることに成功した。
2021年2月、21m11を投げて東京五輪の参加標準記録21m10を突破。

自身が「子供の頃からの夢」と語っていたオリンピックへの出場を決めた。

ソリオコーチとの出会い

アレサンドロ・アンドレイの引退後イタリアの砲丸投げをリードしたソリオ

 

南アフリカの砲丸投げ選手、オラジオ・クレモナにアドバイスを求めた縁でパオロ・ダル・ソリオを紹介された。

バイアーはソリオコーチとの出会いが自身のブレイクスルーに大きく貢献したと語っており、特に彼の知識や技術面の指導、コンディショニングプログラムが功を奏したという。

ソリオは選手一人ひとりの体に必要なものが何であるかを理解しているといい、そんな彼に全幅の信頼を置いているバイアーは師弟関係が今後良くなっていく一方だと期待をのぞかせているようだ。


ソリオ
彼の足腰の強さに驚いたよ“こんなの見たことないぞ”ってね

 

バイアー

僕に必要なものをわかってくれている。まだ発展途上だけどあとは良くなっていくだけさ

東京五輪

標準記録をわずかに超え東京五輪出場を決めたバイアーだが、オリンピック予選では二投目に21m25の自己新を投げて予選通過標準記録を突破。

決勝ではさらに記録を伸ばし21m41で5位入賞を果たした。

東京五輪から一月後の9月5日に21m63、同月19日には21m66まで自己記録を更新した。

世界室内入賞

2022年は2試合目のEuropean Throwing Cup(3月13日)で21m99の自己新記録を達成し、トレーニングパートナーであるレオナルド・ファッビーリのベスト記録に並んだ。

 

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同月19日のベルグレード世界室内では21m67のイタリア室内新をマークし6位入賞を果たす。

 

【世界室内2022】

体格

120kg~130㎏以上の巨漢ひしめく砲丸投げの選手としては非常に細身であり、バネを活かした伸びのあるフォームが特徴。

立ち幅跳びのベストは不明だが、最低でも3m20は跳べるようだ。

バイアーは「細身でウエイトも強くない自分が固定観念を打ち破り、身体的才能で限界が決まっていると思っている他の選手達に勇気を与える一助になれれば」というように自身のキャリアを定義づけている。

国籍変更

母方の祖父マリオがイタリアのTrieste出身で、スポーツマンとして活躍していた昔話を聞いて育った。

マリオがアルツハイマーを患い、孫のことが認識できなくなるまで病状が悪化。

祖父の病気を契機に大学卒業後の2019年、イタリアへの国籍変更申請を開始し、2020年からイタリア代表資格を取得した。

 

人物・趣味

自然分娩で生まれたバイアーは出生時の体重が5100gであった。

趣味は読書・古本集めで、心理学の本を特に好む。

元々読書家というほどではなかったが、大学卒業後に興味を持ち始め、自分の精神を高めることができる、ひいては他人との交流に興味を抱くようになった。

この世の最大の財産は人同士のつながりであり、読書を通じてその体験を強く好ましいものにしてくれると考えている2インスタグラムにも“Human connection is the only wealth.”と書いてある

また、オープンウォータースイミングも好き。

音楽を周囲が飽きるほどかける癖がある。

 

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