世界陸上世界二連覇に向け、絶対王者の視界は良好だ。
アメリカ、チュラビスタで開催された競技会にてダニエル・スタール(スウェーデン)が69m11の今季世界最高をマークした。
今シーズンは2月に67m62を投げてランキングトップに立っていたが、さらにその記録を伸ばして首位を維持しランキング2位のクリスチャン・チェー(スロベニア)を引き離した。
同国で同じくハフステインソンコーチに指導を受けるシモン・ペッテションもシーズンベストは出せなかったが65m02とまずまずの記録。
アレックス・ローズ(サモア)が65m67のシーズンベストで2位、東京五輪8位のサム・マティスは61m20でシーズンを開始した。
強い向かい風が吹くので好記録が狙いやすく、ゲルド・カンテルはここで四度70m超えを果たしている。
昨年ファウルとなったものの73mを超える大投擲を見せており、世界記録を出せるポテンシャルが十分に備わっていると感じさせた。
その一方、ケアレスミスで大投擲を不意にしてしまう癖が未だに抜けきっていないことに一抹の不安を覚える。
アスリートの旬は突然終わりを迎えることが珍しくない。
23歳のクリスチャン・チェー(PB: 70m35)を筆頭に、19歳のマイコラス・アレクナ(PB: 66m70)、ラルフォード・マリングス(PB: 63m50)、さらには今季65m21をマークした新星Mario A. DÍAZ(キューバ,22歳)など若い世代には期待のホープが勢ぞろい。
スタールがぐずぐずしていると、他の選手に世界記録をさらわれてしまう可能性は否定できない。
男子円盤投の世界記録はユルゲン・シュルトが1986年にマークした74m08。
五輪種目最古の記録として今もなお頂点に君臨している。
最年少70mスロワーのチェー、金メダリストを父に持つアレクナやターナー・ワシントン(アメリカ)ら次世代のスロワーに発破をかけてもらい、スタールに本来のポテンシャルを爆発させてもらいたいものだ。
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