関西インカレ2024観戦記─アスリートの熱気に心燃ゆ

以前から行ってみたかった学生試合、関西インカレの3日目にお邪魔してきました。

大会情報

兵庫から阪急に乗って西京極まで遠路はるばる向かったため、かなり疲れましたね…。しかも西京極は特急が止まらず、準急は高槻から各駅停車のため本当に長かった。

そう考えるとユニバーは地下鉄経由とはいえまだマシなほうなのか…?

競技場へ向かう前に三宮でレトロゲームを漁っていましたが、大したものがなかったので12時半くらいに大阪梅田行に乗車。

悲しいかな、もはや神戸は田舎だね…(泣)

その後十三(じゅうそう)で京都河原町行に乗り換えて14時に西京極へ到着。

二部の男子円盤投がギリギリ見られるかな?と思いましたがここでトラブル発生。駅から至近距離にある競技場にもかかわらず、迷子になりました笑

なぜかさいきょうごくと読んでた(アホの子

事前に場所を確認しておいたはずなのに、駅に到着する寸前に競技場が見えたので逆に混乱してしまいました。後で気づいたのですが、グーグルマップでスタジアムまでの経路を調べた時「臨時改札口を出ろ」と案内されたのにいざ行ってみると閉まってんじゃねーかコノヤロー!どうりでおかしいと思ったんだよ…。

方向音痴あるあるかもですが、地図で確認しているのに迷う。おまけに中途半端に覚えててかつ土地勘もないのにあてずっぽうで良さげな道を進み挙句に迷ったりして謎のオリチャーを発動する…。

行ったことのある人ならわかるでしょうが、どうやったら迷うんだレベルの場所にありますからねHAHAHA…

ついに到着

やっとスタジアムに着いた頃に、場内アナウンスから30何メートルとか聞こえてきて「やばっもう終わったのか」と焦るも入口が中々見当たらず。

グルっと回ってメインスタンドに入ったは良いものの、最近ユニバーや長居など大型スタジアムに慣れていたせいかスタンドが独立型のため場内から通り抜けできないというトラップに遭遇。

再び場外に出てサイドスタンドの入口を見つけた頃には既に六投目が始まっていました。

石碑を撮っている場合ではない

第二コーナー付近、サークルの真後ろくらいの席に座ったのですが、前方の席は学生応援団がひしめいていたため後ろのほうを選びました。

といってもこの競技場は観客席が低いため特別見づらいということはなかったです。強いて言えばユニバーの時よりサークルが遠く見えました。気のせいかな…?

最後のほうしか見れていないので確かなことは言えませんが、二部の選手からは試技に時間を使う印象を受けました。思い違いかもしれないですけど。

話は逸れますが日本選手はそもそも試技に時間をかけ、逆に海外選手は短いイメージがあります。いつかデータを採って考察してみたいテーマだったりします。

閑話休題。学生の試合だから応援するのも学生なのは当然ですが、それにしても熱が凄いですね。

二部は天理大や甲南大の応援が凄かったように思いました。こういったパワフルな声援を聞いたのはもしかすると高3時の県大会以来かもしれません。

競技終了からしばらくして一部男子円盤投の練習が開始。ここで一つ発見というか、驚きがありました。練習投擲は記録が残りませんが、応援団の皆さんは拍手をしたり歓声を上げたりして盛りあげていたのです。

自分としては初めて見た光景なので一瞬別の競技に対するリアクションかと思いましたよ。

しかし本番に向けて選手を高揚させるという意味では理に適っているのかなという気がしました。これは学生特有の風習なのか、それとも若い世代の子のスタイルなのかはわかりませんが、少なくとも自分が中高生だった頃にはなかったですね。

京産大、関西学院大とO.U.H.Sの応援団が特に存在感ありました。

「ん?O.U.H.Sってどこの大学?」と後で調べたところ大阪体育大学とのこと。以前にも同じ疑問を抱いた気がしてデジャヴ感はありますが…とにかくこの学校の応援が一番盛大でしたね。

私の右前方あたりに十数人はいたでしょうか。大体大の選手は黒田翔貴選手、吉原白虎選手、田中鷲仁生選手の三人が出場していましたが、彼らは資格記録(PB?)が40m前後の選手なので40mラインに触れたり超えたりすると大歓声を上げていました。

吉原選手は資格記録40m11から最終的に42m23まで伸ばし、試技も6回中5回40オーバーだったので好調と声援の後押しが効いたのでしょうね。

もし自分が選手だったら照れ臭いなと感じるほどですが、これぞまさに応援!って感じで選手達は嬉しいだろうなと思いますし、チーム一丸となって戦っている連帯感みたいなものも強く感じることができました。

私の席から左側の少し離れたところに関学チームの応援団がいて、鶴﨑誠選手の番になると「ツルチャーン!!!」と叫んでいたのが印象的です。

他校の選手は下の名前で呼ばれたりしている中、ニックネームで呼ばれてるのは彼くらいだったと思います。親しみやすいキャラクターなんでしょうね。

実は私、大会前に鶴﨑君には観戦予定だということを伝えていました。時間があればお話してみたかったですが、お疲れのところ申し訳ないなと思い結局試合当日は連絡できませんでした。

周りに関学生がいるなか得体の知れないオッサンが近づいてきたら異物感ハンパないですしね…。

しかし彼はデカイ(194㎝)ので遠目でも一発でわかりますね。相変わらず腰の状態は良くなさそうでしたが、ベスト8には残れたようで一安心。お疲れ様でした。

競技終了後の様子

熱いのは歓声だけではない

さて、出場選手の資格記録を見てみるとやはり足立琉希選手(びわスポ大)と富永健心選手(京産大)の一騎打ちかなと試合前は見ていました。

特にこの二人は資格記録が50mを超えていましたし、インスタでもよく動画を拝見しているのでビッグスローに期待感がありましたね。

しかし練習を見たところ、足立君はあまり調子が良さそうではない。ノンリバースだからなのか?と思いましたが40mくらいに落ちていたように見えました。

実際一投目は43m56と低調な滑りだしで、3回目に45m48を投げたものの4回目以降の試技順は6番目となってしまいました。

富永君は全体を通して47m前後で安定しており、調子はまずまず良かったのかなと思います。同じ京産大の坂口昇大選手も足立君を上回る46m96で三投目終了時点で2位につけました。

資格記録トップ3が順当に上位を占めたのですが、後半の動きは面白かったですね。

4回目に富永君が48m73を投げると、5回目に足立君が47m98を投げ坂口君を逆転、富永君にも食い下がります。

そして足立君の6投目、大きな声と共に放たれた円盤は50mライン手前に落下。記録は48m71とあとわずか届かず2位で競技終了。意地が感じられる一投でした。

足立君に抜かれ3位に下がった坂口君ですが、彼も最終投擲で48m48(恐らくPB)と大きく伸ばし大健闘。

優勝を決めた富永君は少し気が緩んでしまったのか、最後の投擲はファウル。しかし安定した力を見せ見事関西の頂点に立ちました。おめでとうございます!

4位の武井夢叶選手は昨年大雨の中行われたU20日本選手権で投げを見ていますが、あの時よりもターンスピードが早くなったような気がします。

彼も来年はさらに良い順位を狙えるでしょう。上位三人は四回生ですからね。

時折円盤投に良いとされる右斜め前の風が吹いていたこともあり、欲を言えば50mでの決着が見たかったですが選手権は勝ってナンボですからね。

惜しむらくは試合が終わった直後に風が強くなってきたこと。気温28.7度・湿度78%とむわっとする空気の中行われたこともあり、5月の試合にしては少ししんどい部分があったのかなと思います。

最初は自分が運動不足だからなのかなと思っていましたが、応援団の子たちが「今日暑いわ」と言っているのが聞こえたので彼らでも暑いと感じるコンディションだったのでしょう。

幸い曇りがちだったので直射日光ガンガンだったというわけではないのですが、雲間から日光が差しこむ時間もあり集中力が試されていた側面があります。

さいごに

学生時代体育会に所属していなかったこともあり、学生の試合は初めてでしたが雰囲気は高校の県大会と似ていますね。

とにかく選手達へのエールが凄いし、一般の試合にない熱が感じられました。

陸上のファンは大人しいのかあまり歓声を上げないので、個人的には一般試合の方が過ごしやすい(大声が苦手なので)とは思うのですが、盛り上がりという意味では比較にならないですね。

競技自体の興味はともかく、選手のみならず学校一丸となって戦う姿勢に感銘を受けました。投擲の試合はともすれば無歓声なんてことも珍しくなく、寂しい思いをしたことは誰でも一度はあるかと思います。

自分の晴れ姿を見てくれる人がいるというのは、当然のようで得がたいものだったりするのですね。

大学は陸上人生の終着点という方も少なくないと思います。一部のエリート選手以外は大学卒業とともに引退し、この大会のことや陸上に費やした四年間、ひいては中高を含めた10年間を今後の人生で懐古するのでしょう。

陸上を辞めるなとは言いません。けれども、選手として引退したからといって陸上ファンであっちゃいけない理由なんてないんです。

大学で陸上はおしまいという方も、たまに円盤を触ったり、テレビや競技場で観戦を楽しんだっていいんじゃないですか。

皆が陸上を、投擲をずっと好きでいてくれればもっともっとこの競技の素晴らしさを広めていけるのではないかと信じています。

選手の皆様お疲れ様でした。次は全カレという選手、大きな大会はこれで最後という選手もいるかもしれませんが悔いの残らぬ全力投擲ができるようお祈り申し上げます。

次は関西実業団選手権に参加予定です。よろしくお願いいたします。

P.S.

そういや私の母校の選手も出場していましたが、陸上部に一秒たりとも所属していないので特に贔屓感情はなかったですね笑